一般に花は美しいものと見なされる。一般の認識での花とは、花びらが大きく発達し、そこに葉とは異なるさまざまな色を見せる。このような目立つ姿であるわけは、花が鳥や昆虫など、移動能力の大きい動物の目を引くためであると考えられる。その目的は花粉媒介をしてもらうことである。それらの動物にとっては、花は花粉や蜜などの餌を手に入れる場であるが、これも、花粉媒介の成功に対する報酬として植物が提出しているものと見なせる。香りがあるのも、同様な理由である。人間にとってそれが魅力的であるのは、われわれヒトも同じく地上の生物の1つであるため、視覚や判断に鳥などと共通する点があるためであろう。
また、花そのものではなく、花の周囲の構造が目を引く姿になる例もある。ミズバショウなどのサトイモ科では苞が大きく発達して地味な花穂を飾る(仏炎苞)。同様に苞が派手になる例はブーゲンビリアやポインセチアが有名である。マタタビでは、花の咲く枝の葉の一部が白くなるが、これも外から見たときに目立つ効果があるものと考えられる。
なお、花粉媒介にそのような動物を必要としない風媒花などでは、花は緑色であったり、花弁を発達させていなかったりと、目立たない姿の場合が多く、一般の目には花が咲いていないと見なされる場合もある。必要ないものは発達させない方がエネルギーの損失がなくて良いから、理にかなっている。
